若い奴らがおもしろがってくれる場所にしか未来はない
タイトルは、東京芸術劇場の野田秀樹監督の談です。

このところ劇場やオペラや演劇、音楽の公演に若年層を呼ぼうと、例えば東京芸術劇場では高校生S席9000円→1000円、小学生招待などの工夫をしているそうです(6日日経夕刊)。同じくスポーツの世界でもJリーグの観客の高齢化が進んでいます。

そんな中、おっと思うようなを記事をみつけました。

「現在、米国のスタジアム設計では“「が」から「も」へのシフト”が進んでいます。これだけ聞くと訳分からないですが、要は“スポーツ「が」見たい人のためのスタジアム”から“スポーツ「も」見たいけど、他のこともしたい人も楽しめるスタジアム”に設計思想を大きく変えています。Citi Fieldは、そんな「も」へのシフトを体現しているスタジアムの1つです」。出典は、コチラの7/3の記事から。

背景には、若い人たちの「欲求」を満たす条件の変化があるように思います。例えば携帯電話はもともと電話ができる機能だけだったものが、カメラが撮れるようになり、ゲームが、テレビが、ネットができるようになりました(もっと色々できるのでしょうけど、そのへんウトいです)。

僕が子どもの頃行った甲子園球場での楽しみは、試合を観戦することのみであり、食事がおいしくなくても、トイレの場所が遠くても、まぁいいかとなっていたわけですが、過去のいち商品=いちサービスの時代から、携帯のようにいち商品=複数サービスが当たり前の時代に育った消費者を心を捉えるには、演劇や試合というコアな商品に付加価値が必要となってきました。割引は一番わかりやすい付加価値と思いますが、今では試合会場でもおいしい食事は当たり前だし、マッサージを受けながら試合観戦できたり、「他のことも楽しめる機能」がどんどん整備されていっています。

ということで今は「コア商品+付加価値」が当たり前の時代になってきました。次にお客様の心を捉えるものは何なのでしょうか。以前楽天の三木谷社長が「これからはお客様の物語に深く関ることが大切」とおっしゃっていたいましたが、そこにヒントがあるように思います。

さっきのciti fieldでは、新しいスタジアムを昔のスタジアムに模倣することで、昔お父さんに連れてきてもらった球場に、30年経って自分の子どもを連れてくる・・・そんな循環を生んでいるそうです。最近では西武ライオンズが復刻ユニフォームも同じ狙いがあるのではないでしょうか。

消費者が、自社の商品やサービスに自分のアイデンティティや歴史を重ね合わせることができたら、その人の心に深く刻み込まれ、その会社や商品の「ファン」になる可能性が高まります。

市場における、スポーツという商品の優位性(強み)はそこにあります。ワールドカップで日本中が熱狂できたのも、「人には誰にも人生を賭けて熱く燃えた時代があって(いや、実は今も心の中で燃えるものがあって)」、そこにボールを足で扱うことに長けた大人が、グラウンド(市場)で対戦相手(競合)と、審判(ルール)に守られながら勝負する、というたかが人工的に作られたサッカーゲーム(仕事)で懸命に戦う代表選手に、知らず知らずのうちに自分を重ね合わせているのではないでしょうか。そこで得られる勇気や感動はGDPには表れませんが、のちに経済効果を生む原動力となりうると思うのです。

・・・っと若者の欲求の話はどこへいったんでしょうか。また次回。
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by katsuhiro-motono | 2010-07-07 08:40
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